ドライアイスを水ではなくメタノールに入れたらどうなるか?


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ドライアイスを水ではなくメタノールに入れたらどうなるか?

水とトマト

[注意]メタノールは危険物第4類アルコール類+劇物に指定されています。取扱には十分な注意が必要です。

多くの人がドライアイスを水に入れて遊んだことがあるでしょう。しかし、水以外の液体にドライアイスを入れるとどうなるか、やったことがある人はいますか?

そこで今回は水とメタノールの2種類の液体にドライアイスを入れたとき、どのような違いがあるか比べてみました。実はドライアイスを入れた後、他のモノを入れてみると面白い違いが見られるのです。

 

メタノールを扱う上で注意したい事

メタノールは危険物指定の物質です。アルコールランプの燃料ですから引火性も揮発性もあります。使用する直前まではラップ等で閉じておくと良いでしょう。また飲用毒性もあるので飲んではいけません。

水とメタノールにドライアイスを入れてみる。

ドライアイス(ブロック)

水以外の液体にドライアイスを入れると何が違うのか、実際にやってみました。今回は水とメタノールを使います。 

水とメタノール

写真は、右がメタノール、左が水です。見ただけではほとんど見分けがつきません。どちらも常温で液体の物質です。

この2種類の液体にドライアイスを入れてみました。ドライアイスを入れると、様子に違いが見られます。

ドライアイスを入れた水とメタノール

水の方は白い煙のようなもの(正体は氷の微粒子)がもくもくと立ち上ってきます。見慣れたドライアイスの様子ですね。

水に入れたドライアイス

一方のメタノールはというと、水のように白くもくもくしたものがあまり出ていません。

ドライアイスを入れたメタノール

 

冷やした液体にミニトマトを入れてみた。

下の写真がドライアイスがなくなった後の水(左)とメタノール(右)です。水の方は白い煙は息で吹き飛ばしてあります。

水とメタノール 

このドライアイスで冷やした2種類の液体にミニトマトを入れてみました。

ミニトマト 

左が水、右がメタノールです。

ドライアイスを入れた水とエタノールにミニトマトを入れる

30秒ほど入れた後ミニトマトをピンセットで取り出してみると、色に違いが見られます。メタノールで冷やしたミニトマトの色がオレンジ色に変化しているように見えます。

ドライアイスを入れた水とメタノールに入れたミニトマト

このトマトをハンマーで叩いてみると・・・

ドライアイスを入れたメタノールでミニトマトが凍り付く

メタノールで冷やしたトマトが割れました。

写真の通り、メタノールにドライアイスを入れて冷やした後ミニトマトを入れると、ミニトマトが芯から完全に凍りついてしまいます。ハンマーで叩くと割れてしまいます。まるで液体窒素で凍らせたかのようです。なお、水+ドライアイスで冷やしたミニトマトも冷たくはなっていますが、凍ってはいません。

 

メタノール+ドライアイスで強力な寒剤になる。

なぜメタノールで冷やしたミニトマトは凍ってしまったのでしょうか。

その理由は凝固点(液体が固体に変わるときの温度)の違いに原因があります。水が氷になる温度は0℃です。水が完全に凍り付くまでは凝固熱が放出されて温められてしまうため、いくら強力に冷やしても完全に氷になってしまわない限り0℃以下にはなりません。ドライアイスの温度は−79℃ですが、ドライアイスで冷やしていても、水が水である限り0℃のままです。

ところが、メタノールが凍る温度は−97℃です。水よりも100℃くらい温度を下げないと凍りません。−79℃のドライアイスで冷やせば、メタノールの温度も下がります。同じドライアイスで冷やしても、液体の凝固点の違いで冷め方が異なるのです。

ドライアイスを入れたメタノールは何℃になるのでしょうか。

メタノールはメタノールは、密度が水の0.78倍、比熱が0.65倍であるため、熱容量は水の0.468倍となります。写真のビーカーでは水もメタノールも100mLですから、室温を25℃、水が凍らないと仮定した場合、ドライアイスによるメタノールの温度下降は53℃(=25÷0.468)となります。したがって、この実験でのメタノールの温度は約−28℃と考えられます。

このメタノールでミニトマトを冷やせば、あっと言う間にミニトマトがカチカチに凍ってしまいます。トマトは水分をたくさん含んでいるので、急激に冷やされてあっという間に0℃に達し、凍ってしまうわけのです。

ビーカーをよく見ると、メタノールの入ったビーカー(右)の方が結露していますね。

ドライアイスで冷やした水とメタノールの結露の違い 

 

あとがき

メタノールの扱いに気をつければ、液体窒素のようにあっという間にものを凍らせる寒剤になります。この寒剤も相当冷たいので凍傷には要注意ですが、これでも色々実験ができるので参考になると嬉しいです。

【追記】 

13.09.30 ドライアイスをメタノールに入れた際の温度の説明を修正しました。
13.07.04 記事をアップしました。

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