ブルーム現象でチョコレートの化石レプリカを超リアルにする方法


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ブルーム現象でチョコレートの化石レプリカを超リアルにする方法アンモナイトチョコレート

以前リカバンクで、アンモナイトの化石からチョコレートを使ってレプリカを作る方法を紹介しました。詳細は以下の記事に書かれているので、初めての方はぜひ読むことをお勧めします。

(参考)食べるのがもったいない?チョコレートで化石のレプリカを作ってみよう。

前回は化石のレプリカの作り方を紹介しました。しかし、実際に作ってみると、細かいところでコツが必要だったり、もっと工夫することができそうなところが見えてくるものです。せっかく作るなら、より本物っぽいレプリカを作りたいと欲が出てくるのが人のココロというものですよね。

私もチョコレートの化石レプリカを作るにあたって、チョコレートの種類を変えてみたり型の温度を変えたりといろいろ試行錯誤をして化石レプリカづくりに挑戦してみました。その結果、チョコレートの湯せんの仕方を少し変えるだけでかなりリアルな化石に見せることができることを見つけました。今回はそれを紹介します!


化石を観察して、レプリカづくりを試行錯誤

チョコレートでリアルな化石のレプリカを作りたい。そのためにまず化石をよく見てみました。

アンモナイトの化石

写真はレプリカを作るのに使ったマダガスカルで発掘されたアンモナイト化石。全体の色は白またはクリームに近い色をして、部分的に暗い茶色になっています。アンモナイトの殻の主成分は炭酸カルシウムなので、例えば卵の殻や大理石のような、白っぽい色をしています。

発掘場所の土によって多少色が異なるものの、化石がチョコレートのような完全な茶色でないことは明らか。すぐに思いつくこととしては、ブラックよりはミルクチョコレートの方が白っぽくなること。実際作ってみるとやや薄い茶色になりますが、それでも均等な茶色になってしまいました。

白っぽさを表現するために他に何かできないかと試行錯誤しているうちに、いつのまにか白くなった化石レプリカができていたのです。さらに追究して同じ作り方を再現してみたところ、自分が気がつかないうちにしていたある失敗がリアルになった原因だということに気がついたのです。 その失敗を発展させ、より本物そっくりにつくる方法を発見したのです。その方法は次の通りです!

 

わざとミスしてリアルな化石レプリカ作り?!

失敗から生まれたリアルなチョコレートの化石レプリカが、最初に紹介した写真です。これを作るにあたって次の2つのことを行いました。

失敗から生まれた化石レプリカ
 

1.大雑把な温度でチョコレートを湯せんする。

チョコレートのお菓子を作るときには湯せんの仕方がかなり重要です。一般的には板チョコは細かく刻んでボウルに入れた後、50〜55℃のお湯で湯せんしながら溶かします。湯せん用のお湯は、私たちの感覚ならお風呂のお湯より熱く、いれたてのお茶よりはぬるいくらいの温度です。

この温度を一定に保つことが重要なので、実際にチョコレートのお菓子をつくる際には温度計でお湯の温度を確かめます。温度が下がってきたら熱いお湯を足して調節します(この温度調節をテンパリングといいます)。

もし湯せんのお湯が冷めて30℃以下になると、チョコレートに含まれる油脂(カカオバター)や糖分が先に固まり始めます。その結果、固まったチョコレートに白い斑点や粉が吹いたようになります(これをブルーム現象といいます)。ブルーム現象が起きないように、チョコレートのお菓子づくりではテンパリングがとても重要なのです。

チョコレートのお菓子のパッケージにも「食べても害はありません」と書いてあることがあります。チョコレートが古くなると、周りの温度変化の影響でもこのブルーム現象が起こるのです。カビではないので健康に影響はありません。ただし若干チョコの風味が落ちてしまいます。

が、しかし! 今回の目的はあくまで化石レプリカづくり。テンパリングをあえてせず、温度が変化する状態でチョコレートを湯せんすることでブルーム現象を引き起こし、チョコレートを白っぽくしたのです。私の失敗とは、チョコレートを溶かすときテンパリングをし忘れたことでした。これがきっかけで、化石レプリカがよりリアルになったのです。

テンパリング忘れ
 

2.溶かしたチョコレートを急激に冷やす。

ブルーム現象はさらに「ファット・ブルーム(fat bloom)」と「シュガー・ブルーム(suger bloom)」の2種類に区別することができます。

チョコレートにはカカオバターという脂肪分(油脂)が含まれています。カカオバターは、温度が高くなると溶けだし、低くなると固まるという性質があります。溶け方・固まり方の速さは、カカオバターを構成している分子の性質の違いによるものです。

ファット・ブルームは、チョコレートを湯せんする時間が長くなるほど遅く固まる油脂の分子が表面に浮き出る現象です。見た目がまだら模様になります。

一方、シュガー・ブルームは急激に冷やすと、周りの水蒸気が水滴となってチョコレートにつき、チョコレートに含まれている砂糖が水滴に溶けます。その水滴が蒸発したとき、砂糖だけが表面に残ってしまう現象です。こちらはファット・ブルームに比べて、全体が白っぽくなります。

シュガー・ブルームの方が、本物の化石ような雰囲気を出してくれます。そこで、事前に作った寒天の鋳型をあらかじめ冷蔵庫で冷やしておきました。溶かしたチョコレートを鋳型に注いだら、またすぐに冷蔵庫へ入れてみました。するとシュガー・ブルームによって白っぽくなった化石チョコのできあがりです。

冷やした鋳型

 

ブルーム現象で超リアルな化石レプリカ!

ではもう一度まとめます。チョコレートで超リアルな化石チョコレートを作るときのコツは次の2つです。
  1. 温度調節を大雑把にする。湯せんの温度は測らない。
  2. 鋳型は事前に冷やしておき、チョコレートを注いだ後は冷蔵庫で急激に冷やす。
要するに急激に冷やすことさえ覚えておけば簡単にリアルな化石が作れるといういことになります。

改めて完成した写真と化石の写真をを見比べてみましょう。

失敗から生まれた化石レプリカ アンモナイトの化石

テンパリングに成功した左下のチョコレートは、本物の化石のリアルさが物足りなく見えますね。

 

あとがき:工夫する楽しさ!

今回紹介したチョコレートの化石レプリカに限らず、科学実験や観察、ものづくり、料理は説明書通りにやっても思い通りにいかないことが多いものです。実はうまくいかないということも発見の一つなのです。逆に言えば、もっとよくできるんじゃないかと工夫を凝らして試行錯誤してみると、まだ気がつかれていないオリジナルの発見ができるかもしれません。

ぜひ、失敗を楽しみましょう。それがすでに科学の営みなのですから。

 

【参考元】

My Sweet Chocolate !! http://www1.u-netsurf.ne.jp/~elfin/choco/index.html

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