マグネシウムで白いドライアイスから黒い炭素を取り出そう!


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マグネシウムで白いドライアイスから黒い炭素を取り出そう!ドライアイス(ブロック)
[注意]マグネシウムは危険物第2類に指定されています。取扱には十分な注意が必要です。

スーパーやケーキ屋さんなどで簡単に手に入るドライアイス。その正体は固体の二酸化炭素(CO2)です。その名の通り、元々は黒い炭素に酸素がくっついた物質です。この真っ白なドライアイスから、真っ黒な炭素を取り出す事はできるのでしょうか? マグネシウムを使って実験してみました。

ドライアイスとマグネシウムってどんな物質?

ドライアイスは固体の二酸化炭素です。化学式をCO2と書くように、その正体は炭素原子Cが1つ、酸素原子Oが2つ結合した分子の結晶です。つまり、炭素原子Cにくっついている酸素原子Oを別の原子にくっつけてしまえば、炭素原子だけからなる物質、炭素を取り出すことができるのです。酸素を取り去る反応を「還元」と言います。

とはいっても、二酸化炭素CO2は安定している物質です。そこで、炭素以上に酸素とくっつきやすく還元作用のある金属、マグネシウムMgを今回は使用します。

マグネシウムMg単体は銀光沢の柔らかい金属で、火をつけると白い閃光とともに激しく燃えるため、昔はカメラのフラッシュに使われていました。非常に酸素と結合しやすく、二酸化炭素や水の中でも反応するほどです。

今回行う実験は次の化学反応式で表します。

CO2 + 2Mg → C + 2MgO

あまりに反応が激しいためあまり身近なところで使用されてきませんでしたが、近年では反応しにくく軽くて丈夫なマグネシウム合金が注目を集めています。

 

マグネシウムを使って炭素を取り出そう!

では、実際にマグネシウムを使ってドライアイスから炭素を取り出してみましょう!

 

材料と道具

  • ドライアイス1kg(立方体がやりやすい。事前に半分にしておく)
  • 粉末状マグネシウム
  • リボン状マグネシウム(マグネシウムリボン)
  • ドリル
  • トーチバーナー
  • 軍手
  • 大きめのステンレストレーもしくは陶器皿
まずドライアイス、粉末マグネシウム、マグネシウムを使って写真のような状態を作ります。

ドライアイス還元装置
写真は、1kgの立方体のドライアイスを半分に切ったものに、ドリルで穴をあけ、そこに粉末のマグネシウムを入れています。この粉末のマグネシウムに火をつけることによってドライアイス(二酸化炭素)をマグネシウムで還元します。ただ、この状態の粉末マグネシウムに火をつけるのは難しいので、マグネシウムリボンを導火線代わりに突き刺しておきます。

また、この実験では紙や木の机の上などにはおかず、ステンレストレーや陶器皿・コンクリートの上など燃えにくいものの上で行いましょう。マグネシウムは非常に発熱しますので、理科室の燃えにくい実験台でも跡が残ってしまう場合があるので注意しましょう。

 

着火!

では、このマグネシウムリボンをトーチバーナーで火をつけます。火をつけたら、ドリルで穴をあけていないもう1つのドライアイスでふたをしましょう。周囲の人は1m以上離れて観察しましょう。

ドライアイスを還元する
部屋を暗くしておくと、非常に綺麗な実験を見ることができます。マグネシウムリボンから粉末のマグネシウムに引火し、マグネシウムと酸素が激しく反応します。

しかし、しばらくするとこの反応が見かけ上弱まってきます。

ドライアイスを還元する
さらにもう少しすると・・・

ドライアイスを還元する
最初は白い閃光とともに反応していたドライアイスの中が、徐々に灯籠のようなオレンジ色に変化します。最初はドライアイスの間にあった空気中の酸素とマグネシウムが反応しますが、その酸素はすぐになくなってしまい、ドライアイス(炭素と結合している酸素)を使ってさらにマグネシウムが燃えるのです。このときに反応の色が変わってきます。

ドライアイスを還元する
明るい部屋で実験を行った場合でも、このオレンジ色ははっきりと確認することができます。

ドライアイスを還元する
完全に中の反応が終わるまで待ちましょう。

 

反応が終わったら中を覗いてみよう!

オレンジ色が完全に見えなくなったら、ゆっくりとドライアイスのふたを開けてみましょう。もしこのとき完全に反応が終わっていない場合、空気中の酸素とマグネシウムがまた激しく反応する恐れがあります。ゆっくり、慎重にドライアイスをもちあげて中の物を取り出してみましょう。

ドライアイスから取り出した炭素
黒い物質と白い物質が中から出てきます。白い物質はマグネシウムが酸素と結合した酸化マグネシウムMgOです。これを取り除くと、残るは黒い物質である炭素Cです。熱が冷めていれば、実際に触ってみると炭素であることを確認することができます。

 

あとがき

中学2年生の理科の教科書では、気体の二酸化炭素中でマグネシウムを燃やして炭素を取り出す実験がよく紹介されています。その実験に比べれば、今回ご紹介した実験はドライアイスを用意する手間がかかること、マグネシウムによる事故の危険性が増すことに欠点があります。しかし、真っ白なドライアイスから真っ黒な炭素が出てくることにはびっくりすることでしょう。「あ、ドライアイスって本当に二酸化『炭素』なんだ!」と実感できるでしょう。

もし実験を行う環境があれば、試してみるのも良いでしょう。

 

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