卵の殻を食酢で溶かしてみよう!


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卵の殻を食酢で溶かしてみよう!

殻のない卵

普段、ゆで卵を食べるときに剝がす鶏卵の卵の殻ですが、キッチンに「あるもの」を使えば茹でなくても卵の殻だけ取り除く事ができるって知ってました? 「あるもの」の中でも、だいたいどこの家でも置いてある一番簡単な調味料が食酢なんです。

今回は、食酢を使って卵の殻だけ溶かしてみたいと思います。

 

食酢で卵の殻を溶かしてみよう!

この実験の材料はとても簡単!その気になれば今すぐにでもできてしまうのでぜひやってみましょう。

【材料】

  • 鶏卵 1個
  • 食酢
  • 容器(※写真ではビーカーを使用)

卵の殻を溶かす材料

写真では容器にビーカーを使用していますが、ビーカーでなくても大丈夫。家にあるコップなど、卵がすっぽり入る大きさの容器であれば何でもOKです。

まずはビーカーに卵を入れましょう。

ビーカーに入れた卵

そして、卵が完全に沈むまで食酢を入れましょう。卵や容器のサイズにもよりますが、けっこうな量の食酢が必要になりますので、100円ショップに売っているような安い食酢で行うと良いでしょう。

卵を食酢に漬ける

実験操作はこれでおしまい。すごく簡単ですね!開けたままだと食酢のニオイがキツいので、ラップをして冷蔵庫に入れておきましょう。

食酢につけた卵

 

卵の殻から泡が出てくる!

食酢を入れてからしばらくすると、ゆっくり泡が出てきます。この泡の正体は二酸化炭素です。

食酢で卵の殻が溶ける様子

ただし、この実験は操作こそ簡単ですが、少々時間がかかります。しばらく放っておきましょう。

 

1週間放っておいたら写真のようになりました。卵の殻にヒビが入り始めています。そして周りには何かめくれた跡が残っています。

食酢につけた卵の様子

1週間も放置していると、気泡が周りについているもののほとんど新しい泡が出てきません。そのようなときには、中の食酢を一旦捨てましょう。親指で卵をなでるとボロボロと周りがとれていきますので、優しく洗った後、また新しい食酢に漬けて放置しましょう。

2,3回食酢を替えると、卵の殻が完全に無くなってしまいます。

 

殻なし卵の出来上がり!

最終的に卵の殻は完全に無くなってしまいました!

[注意]実験で使った殻なし卵は食べないようにしましょう。

殻のない卵

表面がツルツルになっているので、蛍光灯の光を反射していますね。

殻がないので、押せばプニプニとした感触がして気持ちいいです。ただし、あまり力を入れると割れてしまうので慎重に!

ぷにぷに卵

光に空かしてみると、中にある卵黄(卵の黄身)が透けて見えますね!

中が透けて見える卵

 この状態の卵、巷では「スキンエッグ」とか「ぷにぷに卵」とか色々な呼び方がされているようです。この殻の下にある膜を「卵殻膜」といいます。

 

どのようにして卵の殻は食酢で溶けるの?

市販されている食酢の中には約4%の酢酸(さくさん)CH3COOHが含まれています。名前の通り「酸性」の物質です。これが今回の実験の主役です。

一方、鶏の卵は栄養価の高いタンパク質の豊富な食べ物です。けれど、私たちが普段食べる事のない卵の殻「卵殻」は、炭酸カルシウムCaCO3を主成分とする無機物(炭素を含まない物質)なのです。炭酸カルシウムはチョークや石灰の粉、貝殻などと同じ成分です。酢酸は炭酸カルシウムを溶かしてしまうのです。

卵の殻は約0.4mmの厚さがあり、一番上はクチクラ層と呼ばれるタンパク質です。買ったばかりの卵を触るとざらざらしていますが、その正体が0.1mmの厚さをもつクチクラ層です。また卵殻には小さな穴がたくさん空いています(多孔質といいます)。ここから卵は酸素と二酸化炭素の出入りを行い呼吸しているのです。

卵を食酢につけると、小さな穴から食酢が入り、卵殻の主成分である炭酸カルシウムを溶かしてしまいます。卵殻が溶けると表面のクチクラ層もはがれてしまうのです。

クチクラ層と卵殻の様子

 

どうして反応に時間がかかるのか? 

とりあえずここまででこの実験で起こった事が分かるかと思いますが、もう少し詳しく知りたい人のために、高校化学レベルの話も書いておきたいと思います。 ちょっと難しいかもしれませんので、読み飛ばしてもらって構いません。

卵の殻を溶かす実験は次の化学反応式で説明する事ができます。最終的に二酸化炭素が発生します。

CaCO3 + 2H+ → Ca2+ + H2O + CO2↑ ・・・①

また、酢酸CH3COOHは0.1mol/Lのとき電離度α=0.016と非常に電離しにくい物質であり、可逆反応になります。

CH3C00H ⇄ CH3COO + H+ ・・・②

もし今回の実験が酢酸ではなく、塩酸や硫酸といった強酸の物質で行えば、もっと早く終わった事でしょう。しかし酢酸は電気度が低くイオンになりにくい性質を持った物質なので、実際の水素イオン濃度[H]+の値も小さく、反応が少しずつしか起こりません。

①の反応が進むと、水素イオンH+の量が減少するため、ルシャトリエの原理に従って②の反応で右向きに平衡の移動が起こります。すると水素イオン濃度が上がり、また炭酸カルシウムと反応し、水素イオンH+の量が減し・・・と、これを繰り返し、最終的には酢酸CH3COOHか炭酸カルシウムCaCO3のどちらかが無くなるまで反応が進みます。

なお、食酢に含まれる酢酸CH3COOHの濃度は4%ですから、卵の殻の質量が分かれば、この反応にどの程度の量の食酢があれば完全に卵の殻を溶かす事ができるか、物質量から求める事ができますよ!

 

あとがき:時間や食酢の量を調べてみよう!

最後はちょっと難しい説明になってしまいましたが、実際のところ卵を完全に溶かすのにどれくらい時間がかかったのか、どの程度の食酢が必要だったのかはここでは紹介しませんでした。時間や必要な量を調べ、グラフにまとめることができれば立派な自由研究にもなるでしょう。関心がある人はぜひやってみることをオススメします!

また、食酢以外の「酸」で同じ実験をしたらどうなるか、チャレンジしてみるのもいいですね!

 

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