キッチンでバナナのDNAを抽出してみよう!


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キッチンでバナナのDNAを抽出してみよう!DNAの抽出

最近ではネットから簡易の遺伝子検査を申し込めるようになりました。「DNA鑑定」といったように、遺伝子の正体がDNAであるという科学的知識はかなり市民権を得たと言ってもいいでしょう。しかし「遺伝子組換え」といったように、得体の知れない技術が怖いと思っている方もいらっしゃるかもしれません。

遺伝子の正体であるDNA。実はキッチンにある道具とドラッグストアで売っているものを使えば取り出すことは難しくないんです。もしよかったら、ちょっとやってみませんか?


キッチンにある道具でDNAを取り出そう

科学の世界では、ある特定の物質を取り出すことを「抽出」といいます。茶葉から紅茶を「抽出」するともいいますが、それと同じ言葉です。

DNAは次の道具を用意すると簡単に抽出することができるんです。

【材料】
  • バナナ
バナナ

【試薬】

  • 10%食塩水(水90mL(=90g)に対し食塩10gの割合)
  • 中性洗剤(キュキュットがオススメ!)
  • 冷たい99%エタノール(ドラックストアで売っています。冷蔵庫で冷やしておきましょう)
DNA抽出に必要な試薬

【道具】

  • コップ(写真ではビーカーですが、コップで十分です)
  • コーヒーフィルター
  • ポリ袋
  • 包丁
  • まな板
  • ハサミ ※写真にはありません
DNA抽出に必要な道具

 

DNAを抽出する方法

DNAを取り出す抽出液を作ろう!

まず、バナナの皮をむきましょう。

皮をむいたバナナ

バナナの身を一口サイズに切ります。

一口サイズに切ったバナナ

これをポリ袋に入れます。

袋に入ったバナナ

袋に入れた状態で、バナナを手で握り潰します。少し潰したところで、先ほどの食塩水を入れます。

食塩水

バナナひとかけらと同じくらいの量を入れてください。この操作はあまり厳密でなくても大丈夫です。

潰したバナナと食塩水

さらに、中性洗剤を2、3滴入れます。洗剤は入れすぎるとあとで泡立ってしまうので、入れすぎないのがコツです。

潰したバナナと食用洗剤

全部材料が入ったら、バナナをぐっちゃぐちゃに潰します。普段のストレスをぶつけるつもりで、ドロドロになるまで潰してください。

よく揉む

ただしあまり夢中になって袋を破らないようにしてくださいね。もし小さい子がやる場合には少し固めのポリ袋でやるといいでしょう(100円ショップで手に入ります)。

手で触ってバナナの果肉が感じられないほどに潰すことができていればOKです!

潰してよく揉んだバナナ

 

DNAを抽出液から取り出そう!

潰し終わったら、コップ(ビーカー)にコーヒーフィルターを用意しましょう。

ビーカーとコーヒーフィルター

コップ(ビーカー)にコーヒーフィルターをセットしましょう。コーヒーフィルターがコップに対して大きすぎる場合は折り、フィルターがコップの底につかないよう浮かせておきましょう。

コーヒーフィルターでろ過装置

コーヒーフィルターの上に、先ほどのポリ袋をもってきます。

バナナ抽出液

ポリ袋の角をハサミで切って、中身をコーヒーフィルターに落とします。そしてしばらく放置しましょう。

DNA抽出液のろ過

しばらく待つと、コップの底に最初の液より少し透明になった液体(抽出液)が溜まります。

抽出液の中にはDNAが溜まっています。実はここまででDNAの抽出は終わりなのですが、DNAは水によく溶ける物質なので、このままでは目で確認できません。

そこで、冷蔵庫で冷やしたエタノールをそ〜っと注ぎましょう。入れる量は抽出液と同じくらい。コップの壁を伝わらせながら、静かにゆ〜っくり入れるのがコツです。

エタノール

入れ終わったら、そのままゆ〜っくりと、ガラス棒で1、2周まわしてみましょう。

バナナDNAの抽出

白いものが出てきました!これが析出したDNAの塊です。DNAはエタノールには溶けないので目で見える形で出てくるのです。溶けきれなくなった物質が現れることを「析出」と言います。この中にはバナナの遺伝情報がしっかり残されています。

析出したDNA

 

マイクロスケールで実験しよう!

バナナひとかけらでも析出したDNAをたくさんとることができます。

そこで、大勢で実験を行う場合には実際にバイオ実験で使われる「マイクロチューブ」と呼ばれる小さなケースに入れて持ち帰ってもらうという方法もあります。マイクロチューブは教材屋さんで安価で大量に手に入れることができます。

先ほどのバナナの抽出液をマイクロチューブに半分入れます。

マイクロチューブ

さらに冷やしたエタノールをピペットで入れ、フタをします。エタノールの分量はバナナの抽出液と同じくらいです。

マイクロチューブ

そして、マイクロチューブの底をデコピンします。2,3回デコピンするだけで、簡単にDNAが析出して面白いですよ!

析出したDNA

ちなみにデコピンは実際の生物学実験でも行われる方法で、正式には「タッピング」といいます。そんな小ネタも入れると皆さん驚かれます。

このような、小さなサイズの実験器具で一人ひとり行うような実験を「マイクロスケール実験」といいます。

 

とても簡単!でもちょっと留意点あり

エタノールだけは購入が必要ですが、準備も操作もとっても簡単な実験です。ぜひおうちでも試してみてくださいね。小学校や中学校でもできるでしょう。

ただし、ひとつ注意が必要。さきほど「DNAの塊」と書きましたが、この操作だけでは余分なもの(不純物)がまだいっぱい残っています。例えば糖やタンパク質などです。

遺伝子を扱う研究所では、私たちの胃や小腸で食べ物を消化するように、タンパク質や脂質を分解する物質(酵素)を使ってさらに純粋なDNAを抽出する技術を使います。さらにPCRという方法を使って、DNAを何倍にも増やせます。髪の毛一本からDNA鑑定ができるのもこの技術のおかげなんです。

ちょっと、遺伝子に興味をもってもらえました?

バナナは柔らかい上に糖が多いので潰して抽出するのが簡単です。他の材料でできないか調べてみるのも面白いかもしれませんね。ぜひお試しあれ!

 

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参考文献

  • 芝原寛泰・佐藤美子(2011)『マイクロスケール実験―環境にやさしい理科実験』,オーム社.
  • 芦田嘉之(2011)『やさしいバイオテクノロジー カラー版 遺伝子の基礎知識からiPS細胞の話題まで』,ソフトバンククリエイティブ.

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